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ヒトパピローマウイルス(HPV)とは
ヒトパピローマウイルス(HPV:Human papillomavirus)とは、
皮膚や粘膜から感染するウイルスのこと。

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、1983年に確認されてから、ほぼすべての子宮頸がん進行に、ハイリスクHPVの子宮頸部感染が必須条件になっていることが広く知られるようになったの。
HPVが原因で起こると言われる「子宮頸がん」は、世界のがん患者女性の2番目に多いといわれるほど、女性にとって身近ながんのひとつ。女性にとってすごく重要な性課題だけど、その歴史は浅い。だから、また研究データも他の性病と比べて、量が少ないのよ。
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染経路
性行為等で生じた小さな傷から侵入して体の細胞に感染します。

いわゆる本番の性行為だけではなくて、スマタなどの性器接触だけでも感染経路となるし、皮膚と皮膚の接触だけでも感染が成立することもあるの。
男性の同性愛者間では、HPV関連の肛門癌が増加しているわ。
最近ではオーラルセックスによるHPV感染が原因で、口や喉、鼻などにも感染するリスクがあり、頭頸部癌(喉や口のガン)の原因になっていることが明らかになっているのよ。
子宮頸部がんの原因といわれるHPVは、決して女性だけの課題でなく、男性にとっても脅威となるものなの。
ヒトパピローマウイルス(HPV)の症状
ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染したら、どんな症状がでるのか。
尖圭コンジローマ
HPVによって、尖圭コンジローマを生じることがあるわ。
陰部や肛門周囲、膣や尿道などに、カリフラワーのようなイボができるの。
尖圭コンジローマは、肉眼でカリフラワー状のイボを確認できるけど、痛みや痒みなどの自覚症状が乏しいことが多いの。なかなか自ら検査や治療に踏み出すことが出来ず、結果的にイボが増えすぎてから泣く泣く病院へ行く人もいるわ。
無症状
実は、HPVに感染していても大多数が症状を呈さないの。
つまり、自発的に検査をしない限り、自分がHPV感染者であることを、把握することはできないわ。
子宮頸がん
HPVに感染した女性のうち、100~1000人に1人の確率で、子宮頸がんに進行する。
子宮頸がんの主な症状として、不正出血や月経不順、おりものの異常などが認められる。
ヒトパピローマウイルス(HPV)と子宮頸がんの関係
性病のなかでも、比較的感染しやすいHPV。
WHOは、
- 世界の女性の悪性腫瘍の11%、約45万人にHPV感染が関わっていること
- 世界に3億人のHPVキャリアがいる可能性があること
をアナウンスしています。

子宮頸がんは世界の女性のガンのうち、2番目に多いといわれているわ。
日本では年間15000人の子宮頸がん患者が生じ、2500人が死亡しているの。
無症状であることが多く、潜在的に多くのひとに感染しているであろう感染症のひとつ。
2000年前後の調査で、産婦人科外来を訪れた30歳未満の女性を検査したところ、約40%がHPV感染者であったという報告もあるくらいよ。
HPVに感染したら、約100~1000人に1人の確率で子宮頸がんになるといわれているわ。
HPVは、潜在的に感染者が多いにも関わらず、子宮頸がんに非常に関係の強いウイルスなの。
まだ研究の歴史も浅く、性病のなかでも認知度は低い。だけど、知っておいてほしいウイルスだわ。
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子 宮頸がんの症状がわかる!子宮頸がんの症状と原因
目次1 子宮頸がんとは2 子宮頸がんの症状3 子宮頸がんの原因「HPV(ヒトパピローマウイルス)」ってなに?4 増え続けるHPV、子宮頸がんを予防しよう 子宮頸がんとは & ...
ヒトパピローマウイルス(HPV)には型がある?
ヒトパピローマウイルスには型があります。
子宮頸がん、肛門周囲癌、陰茎癌などに検出された高リスクに分類される型と、良性の尖形コンジローマ等の原因になる低リスク型があります。
粘膜型(低リスク型)
- HPV2型
- HPV57型
- HPV6型
- HPV11型
- HPV13型
- HPV44型
粘膜型(高リスク型)
- HPV16型
- HPV35型
- HPV31型
- HPV51型
- HPV33型
- HPV58型
- HPV51型
- HPV56型
- HPV18型
- HPV45型
- HPV39型
- HPV68型
日本人に多いHPVの型は?
日本人女性の子宮頸がんに多く検出されるのは、HPV16型、HPV31型、HPV33型、HPV52型、HPV58型と言われており、HPV16型においては、子宮頸がんの半数以上に検出されていることも報告されています。
ヒトパピローマウイルス(HPV)感染率がすごい。若年女性は注意
HPVの発生のピークは、女性が20~24歳、男性が25~29歳、30才以降は男性が多いと言われています。

HPVがピークになる年代は、性行為が盛んになり、セックスパートナーが多い年齢でもあるわね。
一番恋愛も盛んになる年齢だけど、自己管理が大切。
本来は複数のセックスパートナーを持たないほうが良いけど、もし不特定多数とセックスしてしまったときは、しっかり定期検査をするべきよ。
HPV感染は喉や鼻、舌のガンの原因になる??
HPVは、性器だけではなく喉や口の中、鼻などのいわゆる頭部から首までの間にも検出されることが明らかになってきました。
喉や口、鼻などに生じる癌である、頭頸部ガン。
画像引用:ナノバイオ病院様より

喉や口の中などのいわゆる「頭頸部ガン」からHPVが検出されるケースがあることがわかってきたの。
頭頸部ガンで検出されるHPVは16型が原因とされるているわ。
アメリカでは中咽頭部癌の40~80%、スウェーデンでは中咽頭部癌のの90%がHPVに起因していることも判明している。
「HPV=子宮頸がん」ってイメージで、いかにも女性だけの問題に見えるけど、男性にもすごく影響が大きい性病よ。
沖縄のある研究では、頭頸部ガンの30%にHPVを確認したという報告もあるそう。
HPV感染率は、
思春期で3~5%
成人期で5~10%
と言われていて、決して低い感染率ではないことがわかるわね。
HPV頭頸部癌の感染比率はどれくらい?

HPVの感染率を、オーラルセックスパートナーの数で表したデータがあるの。
結果は以下のようになっているわ。
オーラルセックスパートナーがいない人に比べて、
オーラルセックスパートナーが1~5人・・・2倍
オーラルセックスパートナーがいない人に比べて、
オーラルセックスパートナーが6人以上・・・6倍

オーラルセックスとは、いわゆる口で楽しむセックスのこと。キスに始まり、フェラチオ、クンニリングスなども含まれる。
挿入までのセックスまでしなくても、キスや愛撫だけするようないわゆる「オーラルセックスパートナー」の多さで、HPVの感染率が変わってくることがわかっているの。もちろん、オーラルセックスパートナーが多ければ多いほど、その感染率は上昇するわ。
咽頭がんの原因にもなるHPVだからこそ、パートナー選びもしっかり自己管理しておきたいわね。
ヒトパピローマウイルス(HPV)の検査はどこでするの?
多くの場合、HPV検査を取り扱う医療機関での検査になりますが、自宅でも郵送だけで検査することができます。
予防会が提供する 匿名・郵送 の性病検査キットは、病院や保健所の検査も委託を受ける「登録衛生検査所」で検査するので、信頼性も安心。
予防会のHPV検査一覧
参考・引用
- がんのきほん がん総合情報ポータルサイト
- ヒトパピローマウイルス感染と子宮頸癌 ならびに頭頸部癌の関わり
- ヒトパピローマウイルスと子宮頸癌
- 子宮頸部ヒトパピローマウイルス(HPV)感染の細胞、組織学的検討